■最近の話題■
「OTで提供しているヨガとは?」

 5月に立案し6月に会議で企画提出、7月の準備期間(用具準備・内容の検討、メンバー集め)を経て、
8月後半にお試し参加で実施、そして9月よりようやく正式にヨガ・プログラムが開始されました。
 このプログラムは、元々は終日臥床傾向で妄想などの病的世界に埋没しがちな対象者に、
現実的な心地よい刺激を与え、
健康な精神機能の活性化や身体感覚の回復を図りながら、
終日臥床していることによって基本的な身体機能が損なわれていくのを防ぐ為に計画されたものです。

名目としては「ヨガ」なのですが、
私はヨガ協会の会員でも何でもないので、ヨガそのものに拘りは持ってはいません。
それに、対象者の年齢層や身体状態(ガチガチ!)から見ると、
本格的にヨーガを行おうとするには苦しいものがあります。
もっともっと基本的な部分からほぐさなくてはなりません。それに何より継続しなくてはなりません。
 ヨガに関しては素人でも、心身のリハビリという点においては我々の領分です。
対象者の身体機能を考慮しながら、毎回プログラムを組みます。

小難しい理屈はさておき、ゆったりと呼吸をとりながら身体を動かすというのは、
本当に気持ちの良いものです。
これは近年のヨガ・ブームで脚光を浴びていますが、
ずっと昔から沢山の人たちによって取り入れられていたことです。
単純に身体機能の改善を目指すのではなく、気持ちよくて心身のリラクゼーション効果アリ!
これはお得です。

嬉しいことに、これまでいくらちまちました創作活動(どうしても多くなってしまいます)に促し
継続した作業習慣を身につけてもらおうとしても部屋から出てきてくれなかった対象者が、
この活動には自分から足を運んできてくれます。
この活動がきっかけで、OT室へ向かう足が出来た対象者もいます。

新しいプログラムを導入させる際には、いつも大変な労力を使います。
全体のプログラム構成と対象者と対象者の参加状況から、現在のプログラムに不足している要因
(プログラムに含まれていても対象者に提供できていない物)を考え、
新しいプログラムを企画し、準備し、人を集め、実施し、
そして導入後は細かにメンテナンスを行いながらその活動を運営する。
しかし、その手間がいかほどのものであっても、そのプログラムが対象者のneed
(対象者のdemandは必ずともneedとは一致しません)に
適っていない場合、そのプログラムは尻すぼみになり、また別のプログラムと差し替えられます。
我々も含め、人間は無意識的に自分に不足しているものを充足しようという方向に向かいます
(例えば、自由に作業を選択してもらった場合、自己愛の不足した対象者は自己愛を満たす作業を、
安心を求める対象者は安心できる作業を選択するということ)。
 こちらのpurposeと対象者のneedがぴたりと一致したとき。
そのとき、その作業及び活動は、その人の行動を変容させる力を持つのです。
▼補足▼
demand…要求、主訴
need…必要
purpose…目的


リラックスしよう。